畳の部屋は、日本人にとってふるさとのようなものです。
それは、日本人が昔から知っていた畳のやさしさのためです。
畳との素敵な関係を通して、日本人は暮らしにやさしさを見つけてきたのです。
畳の部屋に入ると、衣ずれの音になんとも言えない静寂さを感じます。 これは、畳がもっている、吸音性と関係しています。部屋の中の余分な音を、 畳はやさしく吸い込んでくれるのです。 フローリングの部屋だと下の階に響くような音も、和室だと気にならないというのは、 畳が音を遮ってくれるからです。 そして、この遮音効果が私たちの心の安らぎをもたらしてくれるのです
畳が快適な理由のひとつとして、ソフトな弾力性と優れた「吸収湿性」があげられます。 人が畳の部屋に寝た場合、一晩でかいた汗の3分の1は、畳が吸収してくれるといわれています。 しかも、吸収するだけでなく、室内が乾燥すると、 畳は室内を快適な条件に整えるために適度な水分を放出するという機能もあるのです。 畳の部屋が心地良いのは、畳のこんなやさしい働きのためなのです。
畳の部屋でリラックスできるのは、畳のかもしだす独特の匂いと関係しています。 畳の香りとは、主にイグサの香りです。このイグサの香りには鎮静効果があり、 まるで部屋の中で森林浴をしているのと同じようなこうかをもたらしてくれます。 この心地良い香りで、私たちは自然に呼吸が深くなり、心身ともにリラックスできるのです。
畳の部屋にいるとなぜだか落ち着く。日本人なら、常日頃コ感じていることです。 これは、人間の目に映る色合いの落ち着き感とともに、皮膚が感じる「光」と関係しています。 人間の皮膚は呼吸しているのと同時に光も吸収しています。 そして人は、自分の皮膚の色に近い反射率の色を感じると安心できるという本能があります。 畳の部屋の反射率は、日本人の皮膚の反射率とほぼ同じ。 だからこそ、日本人にとって畳の部屋は安らぎを覚える空間なのです。